痛みについて
「痛み」というものは単に今 “痛い” ということだけではなく、
そこには痛みを発生させる原因があります。痛みを放置してしまうことで、もっと深刻な問題を引き起こすこともあります。
痛みの原因を特定することや、痛みを取り除く治療を積極的に行うことは非常に大切です。
犬や猫は、痛いところがあっても、言葉で伝えることが出来ません。また本能的に痛みを我慢したり隠したりするため、私たちが気づきにくいという特徴があります。
ヒトと同じように犬や猫にも痛みの感覚があることは、科学的に証明されています。
犬や猫がうまく伝えることのできない痛みを、どうかご家族の皆様に気づいてほしいと思います。
「動物のいたみ研究会」監修のリーフレットより
一つでも当てはまる項目があれば、何らかの病気やケガで「長く続く痛み」を感じているかもしれません。獣医師に相談して適切な治療で痛みを取り除いてあげましょう。
□爪とぎをしなくなった、途中でやめてしまう、
または上手にできなくなった。➡爪が大きくなる
□気性が荒くなった。以前よりも怒りっぽい
□じゃれなくなった
□隠れたり、警戒したり、逃げるようになった。
□グルーミングの頻度が減った。
□ジャンプをしなくなった。高いところに上がるときに
段を使うようになった。
□上り下りする時に声を出す、迷っている。
□体を触ると嫌がったり、うなるようになった。
□トイレの外で糞や尿をしてしまうようになった。
(そそうすることが多くなった)
「動物のいたみ研究会」監修のリーフレット参照
最近までは、猫さんが高齢になると「年をとったこと」が原因で運動能力が落ちると思われてきたが、実はその背景には変形性関節症が関連していることが明らかになりつつある。実際に、高齢で動きが悪くなった猫さんで変形性関節症と診断した症例に対し、鎮痛剤を処方したところ、動きが若いころのようになったケースも多々ある。
★変形性関節症の猫さんで認められる臨床徴候★
1.ジャンプできなくなった
2.高いところから飛び降りれない
3.階段をのぼらない
4.あまり動かない
5.よく眠る
6.あまり遊ばない
7.トイレの使用が難しくなる
8.グルーミングをしなくなる
9.爪が伸びている
10.被毛の状態が悪い
11.人との交わりを避ける
12.怒りやすくなる
13.食欲が低下する
14.顕著な跛行が認められる
*「ジャンプできなくなる」という臨床徴候が最も多く、約70%の猫さんで認められたらしい。
「Felis NO13 枝村一弥先生の掲載文を参照」
痛みが体に及ぼす影響
●気力の低下、不安感
●肺活量の低下
●血圧上昇など心臓への負荷の増加
●ストレス反応の亢進
●栄養不良、傷の治りが悪くなる
●食欲低下、運動性の低下
「動物のいたみ研究会」監修のリーフレットより
ねこさんのほぼ100%が「関節症」になるという
報告もあります。
そうならないように「先制医療」が大切になると思います。
当病院では、シニア期を迎えたネコさんには
“アンチノール”を推奨しています。